50歳パーソナルトレーナーのInBodyデータを全公開!
InBodyデータの数値と意味、プロが自分のスコアをどう読むか
「InBodyで測定してもらったけど、数値の意味がよくわからない」
そう感じている方は多いと思います。体重計と違い、InBodyは10以上の項目を一度に計測します。数字が並んでいても、どこを見ればいいのか、何が良くて何が悪いのか、判断するのは簡単ではありません。
この記事では、スタイルジム円山代表・榎本洋(50歳)の実際のInBodyデータを使いながら、各数値の意味と読み方を解説します。
「解説記事」ではなく、現役トレーナーが自分自身のデータを公開しながら語る記事です。数値の裏にある身体の状態が、より具体的に伝わるはずです。


はじめに——なぜ私のデータを公開するのか
私は1975年生まれ、現在50歳。トレーニング歴25年、トレーナーとしての指導歴20年、パーソナルトレーナーとして札幌で活動して14年になります。累計セッション数は30,000時間を超えました。
全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会(NESTA)認定のパーソナルフィットネストレーナー資格を持ち、ベストボディ・ジャパンでは2013年から複数の大会でグランプリ・ファイナリストを経験してきました。
これだけ書くと「特別な人間のデータ」に見えるかもしれません。ただ私が伝えたいのは、50歳という年齢でも、正しいアプローチを続ければ身体は応答し続けるという事実です。
自分のデータを公開するのは、「理想の数値はこうだ」という抽象的な話をするためではありません。一人の人間の身体の現在地を、正直に見せるためです。
測定日:2026年1月27日
測定機器:InBody 380N(スタイルジム円山導入機)
年齢:50歳 身長:176cm 体重:72.0kg
InBodyとは何を測っているのか——体重計との決定的な違い
体重計は「重さ」しか測りません。72kgという数字は、筋肉も脂肪も水分も骨もすべて合計した値です。
InBodyは生体電気インピーダンス法(BIA法)という技術を使い、体内に微弱な電流を流すことで体の構成成分を分けて計測します。
同じ72kgでも、筋肉が多いのか脂肪が多いのか。その内訳がまったく異なります。InBodyはその内訳を可視化する機器です。
では、主要な項目を一つずつ見ていきましょう。
主要6項目の意味と榎本の実測値
① 体重 72.0kg
最もシンプルな数値ですが、InBodyにおいて体重は「出発点」に過ぎません。重要なのは、この72kgが何でできているか、です。
50代男性の平均体重はおよそ70〜75kgと言われます。数字だけ見ると標準的ですが、後述する内訳を見ると意味が変わってきます。
② 骨格筋量 34.9kg
骨格筋量は、自分の意志で動かせる筋肉の量です。内臓や心臓の筋肉は含まれません。いわゆる「筋トレで鍛える筋肉」の総量がこの数値に現れます。
50代男性の標準的な骨格筋量は28〜32kg程度とされています。
榎本の34.9kgは、50代男性として明確に高い水準です。25年間のトレーニングが積み上げてきた数値であり、加齢による筋肉減少(サルコペニア)に対して、継続的な抵抗を示しています。
骨格筋量が重要な理由は単純です。筋肉は安静時にもエネルギーを消費します。筋肉量が多いほど基礎代謝が上がり、太りにくい身体になります。また筋肉は関節を守るクッションの役割も担っており、膝痛・腰痛の予防にも直結します。
③ 体脂肪率 13.9%
体脂肪率は体重に占める脂肪の割合です。
50代男性の標準は15〜25%程度。10〜15%は「やや低め・アスリート寄り」の範囲に入ります。
榎本の13.9%は、この年齢層では低水準です。ただし私自身は「もう少し下げたい」と思っています。夏に向けて11〜12%台を目標に、現在食事と有酸素運動の調整を進めています。
トレーナーとして正直に言うと、体脂肪率は低ければ良いわけではありません。極端に低い体脂肪率はホルモンバランスや免疫機能に影響することがあります。一般的な50代男性の健康目標としては15〜18%が現実的で持続可能な範囲です。
④ 体脂肪量 10.0kg
体重72kgのうち、脂肪として存在する重さが10.0kgです。
この数値は体脂肪率と連動しますが、別の視点を提供します。たとえば体脂肪率が同じ14%でも、体重60kgの人の体脂肪量は8.4kg、80kgの人は11.2kgと異なります。
ダイエットの目標設定では「体脂肪率を〇%にする」より「体脂肪量を〇kg減らす」の方が具体的に計画を立てやすい場合があります。
⑤ 基礎代謝量 1,709kcal
基礎代謝量は、何もしなくても1日に消費するエネルギー量です。呼吸、体温維持、臓器の活動など、生きているだけで必要なカロリーです。
50代男性の平均基礎代謝は1,500〜1,600kcal程度とされています。
榎本の1,709kcalは平均より高い水準です。これは骨格筋量の多さが直接影響しています。筋肉はエネルギーを大量に消費する組織であるため、筋肉量が多いほど基礎代謝は上がります。
基礎代謝が高いことの実際的なメリットは「食べても太りにくい」ことです。同じカロリーを摂取しても、基礎代謝が高い人はより多くを消費します。筋トレがダイエットに効果的な理由の一つがここにあります。

⑥ InBody点数 84点
InBody点数(InBodyスコア)は、体組成全体を総合的に評価した指標です。筋肉量と体脂肪量のバランスを数値化したものと理解してください。
評価の目安は以下の通りです。
- 80点以上:優秀
- 70〜79点:良好
- 60〜69点:普通
- 60点未満:要改善
榎本の84点は「優秀」の範囲に入ります。ただし私自身は90点台を目標としています。骨格筋量をさらに増やすことで、スコアの上昇が見込めます。

BMI 23.2——「正常範囲」が意味することと限界
BMI(Body Mass Index)は体重(kg)÷身長(m)²で計算される指標で、18.5〜24.9が「普通体重」とされています。
榎本のBMI23.2は正常範囲内です。しかしここで重要な点があります。
BMIは筋肉と脂肪を区別しません。
たとえば骨格筋量が非常に多いアスリートは、体脂肪率が低くても体重が重くなるためBMIが高くなることがあります。逆に体重が軽くても体脂肪率が高い「隠れ肥満」の状態では、BMIは正常範囲に収まります。
BMIは「大まかな傾向を把握するための補助指標」です。InBodyの他の数値と合わせて見ることで、初めて意味を持ちます。
部位別筋肉量——左右差が示すもの
InBodyの大きな特徴の一つが、部位ごとの筋肉量と体脂肪量を個別に計測できる点です。
榎本の部位別筋肉量は以下の通りです。
| 部位 | 筋肉量 |
|---|---|
| 右腕 | 3.64kg |
| 左腕 | 3.60kg |
| 体幹 | 27.7kg |
| 右脚 | 9.64kg |
| 左脚 | 9.56kg |
右腕と左腕の差は0.04kg、右脚と左脚の差は0.08kg。左右差が非常に小さく、バランスが取れています。
利き手側が発達しやすいため、一般的には左右差が生じやすいです。この均衡は、長年にわたって左右バランスを意識したトレーニングを続けてきた結果です。
体幹の27.7kgという数値も注目点です。体幹の筋肉は腹部・背部・臀部など胴体全体の筋肉群を指します。この数値が高いことは、姿勢維持・腰痛予防・全身の運動効率に直結します。
左右差は怪我のリスクとも関係します。著しい左右差がある場合、弱い側に負荷が集中し、関節や筋肉への過負荷につながることがあります。部位別データを定期的に確認することで、こうしたリスクを早期に発見できます。

内臓脂肪レベル——見た目では分からない脂肪
内臓脂肪レベルは、InBodyで確認できる重要な健康指標の一つです。
榎本のデータでは内臓脂肪断面積・内臓脂肪レベルが記録されていますが、この数値は健康リスクを評価する上で体脂肪率より重要になる場合があります。
内臓脂肪は皮下脂肪と異なり、肝臓・腸・膵臓など内臓の周囲に蓄積する脂肪です。見た目には現れにくく、自覚症状もほとんどありません。しかし内臓脂肪が増加すると、糖尿病・高血圧・脂質異常症・動脈硬化などのリスクが高まることが分かっています。
体型が標準でも、内臓脂肪レベルが高い「隠れ内臓脂肪型」は少なくありません。腹囲の計測と合わせてInBodyで定期確認することを勧める理由がここにあります。

全身位相角 6.3°——細胞レベルの健康を示す指標
位相角(Phase Angle)は、InBodyのデータの中で最も専門的な指標の一つです。一般の解説記事ではほとんど触れられません。
位相角は細胞膜の状態と細胞の活性度を示す指標です。細胞内水分と細胞外水分のバランスから算出されます。
数値が高いほど細胞膜がしっかりしており、細胞内に水分や栄養が保持されている状態を示します。反対に低い場合は、細胞の質が低下している可能性を示唆します。
一般成人男性の平均は5〜7°程度とされています。
榎本の6.3°は標準的な範囲内ですが、私自身はもう少し上を目指しています。位相角を高めるアプローチとしては、筋肉量の増加・質の高い睡眠・適切な水分摂取が有効とされています。
この指標は、体重や体脂肪率だけでは見えない「細胞レベルの健康状態」を示します。特に加齢とともに位相角は低下する傾向があるため、50代以降の身体管理において注目すべき指標の一つです。
骨格筋指数(SMI) 6.3——サルコペニア評価の基準
骨格筋指数(SMI:Skeletal Muscle Index)は、骨格筋量を身長の二乗で割った値です。体格の違いを補正した上で、筋肉量の充足度を評価できます。
サルコペニア(筋肉減少症)の診断基準の一つとして使われており、男性では7.0kg/m²以上が正常、6.4〜7.0が境界域、6.4未満がサルコペニアの疑いとされています(アジア基準)。
榎本の6.3は境界域に近い数値です。
これは正直に言うと、私自身が「改善すべき課題」として認識している部分です。身長176cm・骨格筋量34.9kgという数値を見ると高く見えますが、SMIで換算すると改善の余地があることが分かります。現在、骨格筋量をさらに増やすトレーニングに取り組んでいる理由の一つがここにあります。
この指標は、特に40代以降の方にとって定期的なモニタリングが重要です。加齢とともに筋肉は年間1〜2%ずつ減少すると言われており、意識的なトレーニングと栄養摂取なしには、この数値は確実に下がり続けます。

データを読んで見えてくること
榎本の現在の数値を総合すると、以下のような身体の状態が浮かび上がります。
骨格筋量・体脂肪率・基礎代謝・左右バランスは50代として優れた水準を維持しています。一方でSMI(骨格筋指数)と位相角には改善の余地があり、骨格筋量のさらなる増加が今後の課題です。
「50歳でこの数値なら十分では?」と思う方もいるかもしれません。
確かに平均と比べれば良い数値かもしれません。ただ私がトレーナーとして25年間見てきたのは、「平均」を目指した人は平均に留まり、「自分の最大値」を目指した人が予想以上の変化を遂げるという事実です。
50歳は終わりではありません。データを見れば、まだ伸びる余地がある。それを自分の身体で示し続けることが、私がこのデータを公開する理由です。

まとめ——InBodyのデータはここを見てください
初めてInBodyを測定した方、数値の意味が分からなかった方に向けて、優先的に確認すべき項目を整理します。
まず確認すること
体重より骨格筋量と体脂肪率を見てください。この2つが身体の「質」を示します。
次に確認すること
部位別筋肉量で左右差がないかを確認してください。著しい差がある場合は、トレーニングの見直しが必要です。
定期測定で確認すること
InBody点数・骨格筋指数(SMI)・位相角の変化を時系列で追ってください。1回の測定より、変化の方向が重要です。
見落としがちだが重要なこと
内臓脂肪レベルは見た目に現れません。体型が標準でも、この数値が高い場合は生活習慣の改善が必要です。
次の記事では、この数値をどう改善するか——何が良くて何が問題なのか、どのトレーニング・食事アプローチが効果的かを、同じく実データを用いながら解説します。
プロフィール
榎本 洋(えのもと ひろし)
スタイルジム円山 代表
1975年生まれ北海道出身
トレーニング歴25年・トレーナー指導歴20年・パーソナル指導歴14年(札幌)
累計パーソナルセッション30,000時間以上
NESTA認定パーソナルフィットネストレーナー/DBSダイエット&ビューティスペシャリスト
ベストボディ・ジャパン2016札幌大会マスターズクラスグランプリほか多数入賞
コメント ( 0 )
トラックバックは利用できません。
この記事へのコメントはありません。